赤の奈落
一つの眼が静かに見下ろし
逝く果てを見届ける
眼下にて這い回るは大蛇であるか、
はたまた龍であるか、
紅蓮は唸りをあげて変容し底を彷徨う
一つの眼は思考し、
一つの仮説を称えた
赤の奈落は大蛇にも龍にもあらず
嫉妬に狂った阿修羅の最期であると
奈落